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[PART2] TM NETWORK 30th 1984~ the beginning of the end
TM NETWORK 30th 1984~ the beginning of the end
2014.04.26&27 at (F)uchu no Mori Art Theater
2014.05.19&20 at Tokyo International Forum Hall A

[PART1] TM NETWORK 30th 1984~ the beginning of the end

ひとつのストーリーを語るパフォーマンスを挟みながら、「JUST ONE VICTORY」、「I am」と演奏は続きます。「I am」は「I am 2013」のアレンジを下敷きにして、さらにエレクトロの色が濃くなっていました。エレクトロに寄せた音の上で3人の歌声が重なります。3人の声の重なりが鮮やかに見えるのは、音楽的なハーモニーを越えた結び付き。2012年に発表された「I am」はTM NETWORKの活動再開をブーストする役割を担い、「I am 2013」はTM NETWORKの音楽にEDMを混ぜる実験台となりました。現在のTM NETWORKを貫く軸とも言える重要な曲です。

物語は定められたシナリオを消化してゆきます。何かを入力し、カプセルの様子を伺うウツと木根さんの役割はいったい何なのでしょうか。考えられるのは、ひとつの生命体にその成長のプロセスをプログラミングし、記憶させておくこと。いずれそのプログラムを発動するときが来る。その生命体に「キャロル」という名前が付けられることを、僕らは知っています。

「CAROL」というタイトルの物語を軸にしたステージが、1988年から1989年にかけて披露されました。物語は一度完結しましたが、2013年にはステージ上で「CAROL」をモチーフにしたパフォーマンスが披露されました。新たに語られる物語は「CAROL」のサイド・ストーリーなのか、あるいは素材を組み合わせなおすリミックスのようなものか。僕は後者を予想します。「CAROL」の素材を使って、新たな物語を構築する試み。その始まりを僕らは目の当たりにしているのです。

ステージに残る小室さんをスポットライトが照らします。自らをぐるりと囲むシンセサイザーと対峙し、指を鍵盤に乗せ、気持ちの赴くままに音を鳴らします。「TIME TO COUNT DOWN」、「SEVEN DAYS WAR」、「GIRL」などのメロディが飛び出します。ソフト・シンセに記憶しておいたアコースティック・ピアノの音を出したり、あるときはチェンバロのような硬質な音を呼び出します。

小室さんのソロ演奏は、シンセサイザーの音の重なりに変わり、やがて聴いたことのないフレーズが鳴り出します。AVICIIやZeddを彷彿とさせるメロディアスなEDM。新曲を聴いているかのような感覚に陥りかけたとき、僕らの記憶に刻まれているフレーズが飛び出します。2013年を出発点とする新型「GET WILD」。ワブル・ベースをきかせた「GET WILD」のイントロと新たに開発されたフレーズが混ざり、EDM成分が一気に高まります。ボーカル・パートが終わった後も四つ打ちは鳴り続け、最後までEDMに満ちていました。変わり続けるTM NETWORKを象徴する曲ですが、そのスタイルは2014年も健在です。

ライブは終盤を迎えます。エレクトロ・スタイルに染まった「SELF CONTROL」の後、小さなカプセルが目の前に現われます。小室さんがバトンを取り出し、木根さんがキーボード・ブースに近付いて受け取り、それを通路まで持って歩き、ウツに手渡します。ウツはカプセルの蓋を開け、その中の赤ん坊の横にバトンをそっと添えます。蓋が閉められると、カプセルは宇宙船を旅立ちます。向かう先は蒼い星、地球。スクリーンには「Forward to London in 1974」という言葉が浮かび上がる。木根さんのアコースティック・ギターが鳴り、「BEYOND THE TIME」が演奏されます。ここに、物語「the beginning of the end」が終幕を迎えます。



再び幕が開くと、そこには大きいカプセルがあります。木根さんがカプセルの中の様子を伺い、そのドアを開けます。カプセルの中に見える人影はブロンドの少女です。ワンピースを着て、グリーンのトップスをまとっている。少女は目を開け、立ち上がり、自らの一部であることを確かめるかのようにゆっくりと手を動かします。足を上げ、一歩踏み出すと、少女の身体はカプセルの外側に飛び出します。ぎこちない動きで歩き続け、やがて足がもつれ、転んでしまう。その様子を木根さんはそっと見守っています。

少女は立ち上がると再び歩き始め、次第に動きが滑らかになります。いつしか軽快に走り回るまでになり、プリマ・ドンナに憧れるバレリーナのようにくるりと回ります。くるり、くるり。やがて、少女は立ち止まり、小室さんとウツが姿を見せます。ウツは少女にゆっくりと歩み寄り、一本のバトンを差し出す。少女はバトンを受け取ると、反対側の手で、差し出されたウツの手をそっと握ります。ふたりはそのまま中央の通路を歩いて奥のドアの向こうに消えます。その後を追うように小室さんと木根さんが並んで歩を進め、やがて姿を消します。

光が消えると、閉じた幕がスクリーンになり、文字が映し出される。それは、物語の続きが「2014年の冬」に語られることを示唆しています。最後に披露された一連のパフォーマンスは、予定されているSeason2の予告編でした。Season2で語られる物語の枠組みを公開したのです。エンド・ロールが流れる中、会場にはシンセサイザーの音が鳴り続けています。そのメロディは扇情的に響き、物語が続いてゆくことを観客の意識に刻み込みます。

2014.06.05
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by mura-bito | 2014-06-05 21:09 | Music | Comments(0)
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