inthecube
音楽と物語に関する文章を書いています。
ワイルドじゃなくてもいいからタフになりたい
OUR WORLD IS EXPRESSED BY IMPRESSIVE WORDS
START INVESTIGATION (PART 1) – TM NETWORK FINAL MISSION -START investigation-
ライブ「TM NETWORK FINAL MISSION -START investigation-」の物語がフォーカスするのは、60年ほど時間を遡ったアメリカです。森や沼地、草や土といった自然が色濃く残る地方都市では、人々はどのようなことを考え、どのような営みを送っているのでしょうか。そんなアメリカの田舎町に、3人の男女が現われます。2012年のライブ「TM NETWORK CONCERT -Incubation Period-」のオープニングで登場した3人です。
TM NETWORKに課せられた30年の任期はもうすぐ終わろうとしており、新たな3人(「IP」と呼ぶ)はその役割を引き継ぐために地球に送り込まれました。その役割とは、地球に降り立ち、時代や場所を変えて潜伏し、いろいろな人々の営みを調査して報告すること。IPたちは純粋な気持ちを持って地球の人々とコミュニケーションをとろうとし、この時代のこの場所の調査を始めます。
TM NETWORKは1984年に地球に降り立ち、1994年(DECADE)、2004年(DOUBLE-DECADE)という節目を経て、2014年の任期終了を迎えます。今は、プロフェッショナルの調査員であるTM NETWORKからIPたちに役割がシフトする移行期間、訓練期間です。IPは調査の途中で困ったことがあればアラートを出すことができ、それを受けてTM NETWORKがサポートすることになっています。予想どおりか、あるいは予想よりも早めなのか、TM NETWORKはIPからのアラートを受信しました。
泥だらけのIPたちが最初に見たのは、ランプを手にして見回りをしている人物です。せわしなくランプを動かし、夜の中で暗がりへの恐怖と戦っています。あるいは、もともと神経質な性分なのかもしれません。弱々しい光の中にIPたちが姿を見せると、彼は驚き、思わず後ずさります。IPたちはにこやかに振る舞い、友好的なことを示すジェスチャーで彼に近づきます。しかし、彼の恐怖は強まることはあれ、弱まることはありません。3人を振り払うようにして離れ、首に下げていたホイッスルを思い切り吹きます。接触を拒む彼の心を表わしているかのような、耳をつんざく音が響き渡ります。
ホイッスルの音を受け、二人の保安官がやってきます。IPとのやりとりのせいで敏感になっている見回り役の彼は、二人の気配にも驚きますが、すぐに安堵の表情を浮かべます。彼は不審な人物を見た現場に保安官たちを案内します。二人のうちひとりは彼の言葉を真面目に受け止めて真剣に調べる始めるけれども、もうひとりは信じられないとばかりに呆れた表情を浮かべ、形ばかりの身の入らない捜査を行ないます。
ライブ会場に響く音は、SEのように表情を持たない音から次第に厚みを増し、リズムが強くなっていきます。シンセサイザーの音が観客の記憶に刻まれたメロディに変わり、「CHILDREN OF THE NEW CENTURY」のイントロが鳴り響く。オリジナルは1987年にリリースされたアルバム『humansystem』のオープニングを飾っています。2013年になってソフト・シンセの音を埋め込んだEDMサウンドに転生し、もともと持っていたスピード感が促進されました。かつてはギターの音とシンセサイザーの音が拮抗するアレンジだったのが、EDMミックスではやはりシンセサイザーの方が前に出てきていますね。EDMサウンドを軸にしたライブの開幕を告げるのにふさわしいアレンジです。
再び現われたIPたちに気づくと、保安官たちの緊張が一気に高まります。真面目に調べていた保安官は拳銃を構え、IPたちを威嚇し、強い口調で動かぬように命令する。IPの存在を信じていなかった保安官は警棒を抜きながらも腰が引けています。とても穏やかに話ができる状況ではない。2人の保安官と対峙しながら、IPたちはじっと待ちます。
2014.01.20
by mura-bito
| 2014-01-20 22:04
| Music
fujiokashinya (mura-bito)
S | M | T | W | T | F | S |
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
31 |
最新の記事
LINKIN PARK「Hy.. |
at 2020-12-31 15:20 |
ORESAMA「耳もとでつか.. |
at 2020-12-30 15:24 |
米津玄師「感電」:巧みなアレ.. |
at 2020-12-29 21:04 |
Gacharic Spin「.. |
at 2020-12-22 19:29 |
Reol「激白」:近づいては.. |
at 2020-12-16 21:20 |
ORESAMA「あたまからモ.. |
at 2020-12-09 22:30 |
TM NETWORK『SPE.. |
at 2020-12-05 14:55 |
以前の記事
記事ランキング
カテゴリ
タグ
TM NETWORK(312)
Tetsuya Komuro(151)
EDM/Electro(107)
Investigation Report(102)
EDM(98)
quasimode(72)
30th FROM 1984(63)
Rie fu(62)
Jerry(52)
Eir Aoi(45)
QUIT30(44)
Incubation Period(42)
Zedd(37)
30th FINAL(36)
AVICII(34)
ORESAMA(32)
Sakura(31)
LINKIN PARK(28)
Azumino(27)
Playwright(25)
Tetsuya Komuro(151)
EDM/Electro(107)
Investigation Report(102)
EDM(98)
quasimode(72)
30th FROM 1984(63)
Rie fu(62)
Jerry(52)
Eir Aoi(45)
QUIT30(44)
Incubation Period(42)
Zedd(37)
30th FINAL(36)
AVICII(34)
ORESAMA(32)
Sakura(31)
LINKIN PARK(28)
Azumino(27)
Playwright(25)
ライフログ
TM NETWORK
TETSUYA KOMURO
quasimode
Linkin Park
Paramore
Immigrant'sBossaBand
Ryu Miho
AVICII
Krewella
Zedd
藍井エイル
ORESAMA
Gacharic Spin
梨木香歩
村上春樹
京極夏彦
小林ユミヲ
Book
Comic
Music
その他のジャンル
ブログジャンル